360度カメラである『Gear 360(Samsung)』と映像編集ソフト『Adobe Premiere Pro CC 2017』を使って、InstaVR上で初心者でもカンタンにVR映像アプリを制作してみる手順をご紹介します!!

今回、アメリカのテキサスで開催されたSXSW 2017にて、公式アーティストとして参加した『New Portals』の演奏を撮影し、その撮影から編集、アプリができるまでをご説明します。Gear 360と、この記事があればプロ撮影があっという間にできます。何故なら、私自身、撮影が決まった時点で、持参したGear360を使ったことがなかったにも関わらずなんとか出来てしまったからです。

使用機材
・Samsung Gear 360(定価:49,550円) ・三脚(3,000円程度) ・固定用テープ(200円程度)
・Galaxy S7[Gear 360アプリ](90,000円〜 ※キャリア一括価格)
・MacBook Pro[映像の吸い出しと編集](128,800円〜)

Point0. 持っててよかった!スマホと専用アプリ『Gear 360マネージャー』

Gear 360はGalaxyのスマートフォンと互換性があり、専用アプリをお使いいただくことで直接カメラを操作しなくてもリモートで撮影が可能になります。
(もちろんカメラだけでも撮影や設定は可能ですのでお持ちでない方は飛ばしてお読みください。

 ・その他アプリから出来る事
– Gear 360との接続・切断
– リモート撮影、プレビュー録画
– コンテンツ閲覧、スマートフォンでの保存
– Gear 360の状況設定の確認

※対応端末:Galaxy Note7、Galaxy S7、Galaxy S7 Edge、Galaxy S6、Galaxy S6 Edge、Galaxy S6 Edge +、Galaxy Note 5
アプリをダウンロードしたらカメラとアプリを立ち上げ、カメラ側面の『MENU』ボタンを長押しするだけでスマホのアプリがカメラを認識してくれます。以降は、アプリを開いているときにカメラの電源が入っていれば自動的に認識します。

Point1. 必須!後で気づくと涙目の解像度設定

撮影した映像のサイズは後で綺麗に大きくすることはできません。撮影した画質が使用したいサイズより小さいと、元の解像度を適用サイズまで引き延ばすことになり荒く見えることがあります。
Gear 360の動画の解像度は初期設定で2560×1280となっています。3840×1920まで選択ができますので、使用するサイズが決まっていない場合は最高画質で撮影しておいて編集で必要なサイズに縮小すると良いでしょう。Gear 360に限らないのですが、一般的に180×2枚のレンズが合わさった360度カメラでは前面と背面のレンズで半分の画質となります。4Kであれば2枚のレンズで割って2Kずつ。つまりフルHDと同等の解像度での撮影となります。大きめの素材は小さくする分には画質に問題はないのですが、小さな画像を大きくするのは画質の劣化の原因となります。メモリーカードの容量に余裕があると良いですね。
Gear 360に限らないのですが、一般的に180×2枚のレンズが合わさった360度カメラでは前面と背面のレンズで半分の画質となります。4Kであれば2枚のレンズで割って2Kずつ。つまり4KといってもフルHDと同等の解像度での撮影となります。360度カメラでの撮影は大きめの画質で撮影することをお勧めします。
設定は、カメラの電源を入れた後MENUボタンで行います。

❶電源が入った状態
❷”MENUボタン”を3 回押して”Setting”を表示させ、”OKボタン”
❸”MENUボタン”を1 回押して”Video Size”を表示させ、”OKボタン”
❹現在の設定のサイズが表示されます。
❺”MENUボタン”を任意のサイズになるまで押して、”OKボタン”
Galaxy専用のアプリGear 360マネージャーからでも設定できます。

Point2. 知ってた?360度撮影カメラなのに向きが必要なワケ

360度画像には編集しやすい場所とそうでない場所があります。
映像の中で見せたいものが明確である場合(今回の場合はバンドのメンバー)、カメラの正面である前面レンズの中心をその被写体に向けておくことが大切です。
理由は3つあって、ひとつは前面のレンズの中心がコンテンツのスタート位置に自動的に決まります。これは後でInstaVR上でも修正できますが予め見せたい方向を決めておくことはVRのコンテンツを作る上で重要なポイントになります。
次に、映像を編集する際、平面に展開された映像(エクイレクタングラー)となりますが、その映像の真ん中に正面のレンズで撮影されたものが表示され、背面レンズで撮影された映像の真ん中から切られてしまうため編集がしづらくなります。実際に今回のライブの映像でメンバー側に背面レンズが来ており展開されたエクイレクタングラー映像で文字を乗せる場所に苦労しました。

Gear360マネージャーで撮影をモニタしている場合、上下に前後のカメラの映像をモニタできますがこの場合フロントカメラの映像がどれかわかるようになっています。撮影ボタンを押す前にどのレンズに何が写っているか確認することが重要です。
そして3つ目は、カメラの正面レンズと背面レンズの間を動く被写体に向けておくと、前後のレンズの映像を張り合わせる継ぎ目が正面に来てしまい、人の顔などがその継ぎ目を通るときに少しひしゃげてしまうのでレンズの中央になるべく被写体がくるようにしましょう。

Point3. 炎上必須!固定方法でカメラも撮影も台無しに…

GearVR360はオーバーヒートするとカメラが自動的に停止します。
炎天下での撮影、照明機材の熱がこもったスタジオなどの気温の高い場所での撮影が主な原因ですが、他にもカメラを何かで覆いカメラ内の熱が排出できないことも原因になります。
カメラには3箇所小さな穴が空いています。丸いものがふたつ、長細いものがひとつありますが、換気口が含まれるようで、これらを覆って固定すると中に熱がこもりオーバーヒートの原因になります。これは、今回の撮影で一番ダメージだった失敗の一つで、カメラを台にテープで固定するとき、カメラにテープを貼りすぎて熱がカメラに篭りカメラが自動的に停止したことがありました。ボディは極力少ない面積をテープで固定しましょう。

下記は、私が実際にやってみてダメだったケースと成功したケースです。
【×】レンズ、ボディのボタンやディスプレイ以外ほぼ全ての外装をテープで覆った。充電ケーブル接続のため蓋は空いていた。

【○】テープの粘着面を上にして細くした上、スパイラル状にし、極力ボディにテープが張り付く面積を抑えた。換気口と思われる穴は全て避けた。

カメラが落ちないようにしっかりとテープでぐるぐる固定したくなるのですが、気をつけないと撮り直しのできない撮影の失敗や、機材の発火の危険性もなくはないでしょう。オーバーヒートしてしまうと、カメラは数秒〜数分で停止してしまいます。特にアラートなどの表記はでませんがカメラ自体がかなり熱くなっています。
空調の効いた店内でしたが撮影して10分後には停止してしまいました。その後、何度もチャレンジしましたがまともに動かすことができませんでした。おかげでその日の公式ライブの撮影が出来なくて、 予定になかった別のライブで撮り直すことになってしまいました。

Point4. ご注意!撮影は明るいところで行いましょう。

暗い場所での撮影は陰影が平坦で体感に欠けるのでVR体験での没入感が低下するためお勧めできません。光量が少ないと通常より画質が低く見えます。撮影サイズの設定を高くすることで多少は改善しますが極力明るい場所での撮影がオススメです。
今回、屋外の撮影で、夕暮れのまだ陽が照らす綺麗な時間から、陽が沈み少しライトアップした暗がりでの撮影を行いましたが、光量が少なく画質がぼんやりして見える場合がありました。

Point5. 死角のない360度撮影、あなたはどうする?!

ミュージックビデオのようなストーリー性のあるコンテンツは撮影者が写らないように注意することが大事です。うっかり亡霊のように写り込んでしまうと作り込んだ世界観が台無しです。この場合、カメラに映らない物陰に隠れて撮影しますが、その最中もモニタしながら遠隔で撮影ができるスマホアプリが役に立ちます。

逆にイベントやライブ会場のように人の多いところで撮影する場合は他のオーディエンスに溶け込んでしまっても良いでしょう。無駄に隠れるよりもカメラやアーティストが見えていた方が全体を把握できるので、写り込んでいても目立たなければ問題なく、撮影しやすい場合もあります。木は森の中に隠せと言うように、なるべくカメラから離れて目立たないところで自然な動きをするように心がけてください!チラチラカメラを不必要に見たり意味もなく近づいたりせず、拍手をしたりドリンクを飲んだり周りの人の動きに合わせるのがポイントです。

 

Point6. Gear360の謎。長時間動画撮影の落とし穴

8分以上の動画を撮影するとファイルが分割されます。
Gear360で長時間動画を録画していると8分程度(約2G)で映像は自動的にファイルを分けられてしまうようです。24分の場合約8分×3ファイルと言った感じです。正確に8分というわけではなく、数秒〜数十秒単位で異なります。容量も約2Gというところです。
今回のライブ撮影後、1つのはずの映像ファイルがいくつも増えていたのでびっくりしました!

しかも演奏の途中で切られてしまっているので、これらの映像を編集でピッタリくっつけると映像は合うのですが境目のところでプツッという雑音が入っています。気になる方は修正するか、予め音をレコーダーで別撮りしておくと良いでしょう。今回はたまたまバンドのメンバーが演奏を別撮りしていてくれたおかげで雑音のないクリアな音を入れ替えることができました。音を別撮りする場合、映像の初めにスタッフや演者が拍手をするなど分かりやすいアクションで音を立てておくと、あとで映像と音声を合わせやすいです。この部分は最終的にカットします。

 

Point7. 犯人はGalaxy?!電波干渉にご用心

Gear 360マネージャーアプリでカメラとスマホを通信すると周囲の電子機器に影響を与える場合があります。電子楽器やマイクなどで同じく通信を行っている機器がある場合干渉してどちらかがうまく動作しない恐れがあります。楽器に限らず、何か問題になりそうな機器が周囲にないか確認を行ってください。カメラとの通信が原因でその他の機材に影響がありそうな場合は手動での撮影を行うのもひとつです。

それでは次に実際に撮影したものを見ながら編集していきましょう!